放送大学全科目感想 019 コンピュータ通信概論(’20)

  • 情報コース
  • ラジオ科目
  • 葉田善章先生(放送大学准教授)
  • 難易度 ★★★☆☆
  • おすすめ度 ★★★★☆

通信の基本を物理的特性から学び、だんだんと高次の話に移行、信号の表現の仕方や電気信号・電波の話、多重化などの基本技術、さらには放送、IoT、WiFi、GPSなど豊富すぎる話題の欲張り科目。テキストも300P程度と分厚い。練習問題とその解答も充実している。先生の熱意が伝わってくる。序盤には一部数式も出てくるが無視してもよい。添削問題の分量が多く(25問)、試験問題も多いと予想される。

第1回

先生の声かすれててちょっと聞き取りにくい。通信の概要について。シャノンとウィーバーのモデルも含めてだいぶ知ってる話だったので特筆することは無し。

第2回

情報の物理的通信路について。無線がメインでかなり詳しい。電波損失って周波数の二乗に比例して大きくなるのね。だから携帯の電波塔はいっぱいあるのか。wifiのチャネルは以前設定したことがあるからだいぶイメージわく。遅延波とか波の干渉(フェージング)って物理的にはどう対応しているのか?すごく気になる。技術として知りたい。

第3回

信号の表現について。三角関数の数学的な話が続き後半はほとんどフーリエ変換の話。ラジオでは非常に厳しく、テキストに載っている数式も概略だけで片手落ちな感じ。もっと詳細に知るにはフーリエ変換を真面目に学ぶしかなさそうだ。

第4回

A/D変換や標本化の話。量子化やサンプリングについてはほかの授業で既習。折り返しノイズという概念は知らなかったのでこれは貴重。ノイズが載らないようにするにはフィルターでカットしてやればいいらしい。

第5回

信号を遠くに運ぶための変調の話。信号波はそのままではまともに運べないので、長距離伝送に適した姿にしてやって遠くまで運ぶ。アナログ変調で有名なのはAM・FM。数式もついてるけどわかるようなわからんような。電子回路と組み合わせると理解が深まりそうだ。要参考文献。デジタル方式ならベースバンド伝送。これも具体例の電子機器が示されておらず、概念的にへえそうですねと納得するしかなさそうだ。要参考文献。

第6回

デジタルに特化した変調について。AM、FMに相当する変調はわかりやすいが、位相を変化させるという位相偏移変調(PSK)あたりからわけがわからなくなってくる。さらにcosとsinを同時に発することでデータ量を増やす直交振幅変調(QAM)は概論としてはわからなくもないが、数式が意味不明。複素数を使うと2次元表現できて分かりやすいね!と言われてもわからんわ!と思う。まじでやばくなってきましたね。難しい。

第7回

多重化について。多重化とは一本の電線にできるだけたくさんの情報を載せるため、情報を並列に送るための涙ぐましい努力のこと。中でも今回はOFDM(直交周波数分割多重)を扱う。直交とは、波同士が干渉しないことをいう。OFDMでは、波同士が直交するようにうまく周波数を調整して、多数の信号を同時に送る。周波数同士を離さなくていい(ベースバンドが要らない)ので狭い範囲にたくさんの信号を乗せられる。原理はわかった。でも実装方法が難しくてよくわからん。

第8回

物理的な通信路、特に無線通信について。アンテナの仕組みが相当細かく説明されている。アンテナの長さは電波の半波長くらいの時に最もうまくいく。これが波長と同じ長さになってしまうと、波が打ち消しあって受信に向かない。ループアンテナみたいなものは、中学校の時に銅線を大きく巻いて自作してたなそういえば。田舎でFMが入りづらいので、自分の部屋の天井にぐるぐるしてた。

第9回

様々な通信路について。メインは第8回と同じアンテナの話。ただしアンテナは複数の場合。携帯電話は基地局が複数あるから、そのままでは基地局同士の電波の干渉が発生する。なので携帯側で指性を動的に変えて(AAA)、妨害波の影響を減らしている。干渉が発生しないということは、複数の基地局の電波を同時に使用できることでもあり、基地局の方も端末を複数管理できるから、通信速度が倍増する(MIMO)。すげー技術だな。

後半はOSI参照モデルについて。さらっと触れられているだけなので正直よくわかんないです。

第10回

身近な通信、というタイトルだが実質wifiの話。

wifiがなぜ発展したかというと、2.4GHz帯が免許のいらない周波数帯だったかららしい。電子レンジと同じ周波数帯なので干渉する。新しい規格の5GHz帯は、干渉はないが衛星通信には影響する。アクセス制御は有線LANと同じCSMA/CA。高速通信のためには多重化が必要で、第7回でも話の出たOFDMを使っている。エラー対応のため冗長化も行われていて、符号化率(送信データ/実際のデータ)は75%くらい。

次世代wifiではついにMIMOが採用されるらしい。CSMA/CAでアクセス制御しなくてもよくなる。家に基地局が設置されるようなもんだ。

第11回

携帯電話の仕組みの話。割と雑多な話の集合なので、気になったところだけ。

1G~4Gは多重化の方法が異なる。現時点最新の4GはOFDMA(直交周波数分割多元接続)という技術で動いている。MIMOが可能になったのは4Gから。5Gはほとんど説明がないが、高速化のための高周波数帯の使用などがトピックらしい。wikipedia情報だが低レイテンシ(低遅延)も目玉の1つ。DoCoMoだと3.4Gbpsでるらしい。ギガだって。頭の古い人間からするとちょっと想像できないね。

電話番号はパンクする速さがすごく、次は060の使用が開始されそうらしい。

周波数帯は高くなるほど伝送損失が大きいので、基地局が増える。

MIMOを実現するためには、超多素子アンテナ(massive MIMO)っていう100以上の素子を持ったアンテナを活用する。

第12回

IoTの話。今回も雑多な技術の紹介がメインのため、気になったところだけ。

IoTにはLPWA(Low Power, Wider Area)という規格を使う。速度を絞って、省電力とエリアの広さを取った規格だ。細かい規格は乱立しており、LoRa、SIGFOX、Wi-SUN、ZigBeeなど。もう少し近距離になるとBluetoothになる。携帯の通信網を利用したLPWAもある(セルラーLPWA)。

第13回

衛星通信と、海底ケーブルの話。

衛星放送は衛星一個で地球の120度の部分をカバーできるらしい。日本なんか余裕、北アメリカ大陸全部入っちゃうくらいか。すげー。レイテンシが0.24秒あることがちょっと問題。電離層による電波の減衰が少ないのは1GHz~10GHzあたりだそうだ。その確実性から船舶・航空機・自動車などで電話・パケット通信を実現している(MSS)。宇宙探索衛星(ボイジャーとか)との通信はアンテナ3つ張ればできる。200億キロくらい離れているので電波が来るまで20時間かかる。

海底ケーブル。光ファイバーを使う。衛星の1/8くらいの距離だからレイテンシが全然ない。世界の通信の99%は海底ケーブルである。ゲームのようなリアルタイム性の高いアプリでは低遅延が望まれるため、データセンターが直接海底ケーブルに接続されたり、データセンター自体が海底にあったりする。

第14回

放送の話。放送は無指向性だから出力が高い。スカイツリーは10kWで出力してるらしい。テレビ電波は普通水平偏波(地面に対して水平)だが、電波が弱い所では垂直偏波も使われる。伝送方法はOFDMが使われている。1チャンネルを13セグメントに分けて多重化している。携帯用のワンセグの名前はこのセグメントによるもの。おなじみB-CASカードには暗号化を解くカギ(共通鍵?)が入っているらしい。データサービスは、XMLを魔改造したBMLとか、BML専用ブラウザとか、結構ローカル技術が入ってる。

4K8KにはBS/CSが使われる。BSCSは周波数帯の違いがある(17GHz帯と14GHz帯)。そのまんまだとケーブルを通らないので、コンバーターを使って3GHz帯まで下げるんだけど、これがWiFiと干渉しやすいので注意。変調方法はPSK(BS)、QPSK(CS)。多重化の単位はスロット。1チャンネル当たり数十スロットが割り当てられる。デジタル放送は途中で符号化の方法を変えられたりすることが利点、強み。

第15回

今後の展望というタイトルだが、メインはセンシング・計測、特にGNSS(全球測位衛星システム)の話。先生が楽しくなって付加しまくったように見える。

GNSSとは衛星から出る電波を利用して絶対座標を算出することをいう。GPS(アメリカの衛星らしい)の精度補強のための仕組みがいろいろある。まず日本を対象とした「みちびき」という静止衛星システム。2018年から運用で、GPSを補完する役割をするがこれが強力でcm単位で計測ができるようになったらしい。他にも携帯電話通信網、WiFiアクセスポイントを使った相対位置測定で、特に日本の都市部ではかなりの精度が得られるようになっている。GNSSの副産物として、精度30万年分の1の原子時計を使った正確な時刻同期の仕組みも使えるようになった。

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