放送大学全科目感想 013 発達科学の先人たち(’16)

  • 心理と教育コース
  • ラジオ番組
  • 岩永雅也先生(放送大学学長・2021年~)
  • 星薫先生(放送大学准教授)

第1回

イントロ。聞き手は放送大学卒(実は慶應&早稲田卒でもる)のアナウンサー、二宮朋子さん。ツッコミが的確で鋭い。

発達とはdevelopmentを明治時代に訳した言葉で、「包みを解く」という意味がある。西洋では、もともと決定論が支配していて、すでに完成されているものを明らかにしていくという意味合いが強かった。現代ではそれを反省して、環境による効果も加味され、発達とは「内在と外在が相互作用して、変容していくこと」であるという定義に変わっている。

本講義は文献購読的な講義らしい。残りの14回は、それぞれ1人の思想家をフューチャーし、文献の引用も多数していただけるそうだ。楽しみ。

心理学と教育学の研究方法の違いにも言及があった。心理学は体系だっているが、教育学は体系がない。それが、○○心理学(発達心理学とか)という呼び方と、教育○○(教育工学とか)という呼び方の違いに影響しているらしい。

心理学で扱う人たちの概説。アリストテレス、ダーウィン、ブント、ダーウィン、ピアジェ、バートレット、土居健郎(どいたけお)。土居さんはよく名前を聞く。このうちアリストテレスとダーウィンは全然心理学ではないけれど、基礎を築いた人には違いないので言及するらしい。全体的には、意識は足し算である、要素に分解できるという派閥と、そうではなくてもっといろんなものが結び合わさっているという派閥の争いになるようだ。宮崎駿にも言及された。彼はこどもが独自の世界を持っている、大人と考え方や感じ方がそもそも違うのである、ということをわかっていて、作品には大人と子供の感じ方のギャップがよく表れているらしい。

教育学は時間がなく人を紹介して終わった。デュルケム、貝原益軒、シュタイナー、モンテッソーリ、アリエス、清水義弘。中には議論の分かれる人(シュタイナーとかモンテッソーリ)もいるらしいが、面白いので取り上げましたとのこと。なんかずいぶん対象を突き放したような人だ。

第2回

アリストテレスの「心とは何か」について。アリストテレスは心理学の基礎を築いたといわれる。といっても彼の興味の中の一分野にすきない。内容はもとより、「心」というものを取り出して研究対象にしたところがすごいと思う。我々はアリストテレスの作った枠の中で考えてるんだなあ。

アリストテレスは心身一元論をとり、心は最も価値があるものだとする。ギリシャの人たちって価値の上下を大事にするよね。私は価値の上下はあんまり好きじゃないんだけど、上下がないと秩序も生まれないってことなのかな。で、理性は一元論の中からはみ出した存在らしい。矛盾してるけど、永遠のものを考えたかったという気持ちが伝わってくる。永遠=最高、至上、だから理性を持つ人間も至上、人間第一主義ということなのかな。

第3回

貝原益軒について。一番心に響いたのは「そらに覚えざることは、用に立たず」ということ。覚えていないことは使えない・役に立たないってのは昔から言われているんだな。今後の訓示として受け取っておきます。とにかく覚えるまで繰り返そう。

九州男児らしく女の子の教育についてってところがあってうるせーと感じたが男文字もやれとか学もないといかんとか言ってるだけまだましという考え方もある(でも縫物やれとかうるさい)。女性の七難(子なしとか、離縁の理由になるらしい)ってひでーなそれ。一応これにも一部分異を唱えているらしい。

第4回

ダーウィン。もともと生物学に進む気はなく、親に医者になれとか言われて育ったらしいが、いやになって5年の研究の度にでてそのあと有名になったそうだ。進化論は当時キリスト教の禁忌に触れる感じだったので論文発表はすっげー後になった。

今回紹介された文章は人間の表情と心の関係についてのもので、種の起源より後に書かれてる。表情とその根拠となる心の描写が生き生きとしておもしろい。心理学自体がダーウィンの思想にベースを置くところがある。進化論が誤用された優生学の氾濫という負の歴史もあるので、心理学者はダーウィンに複雑な気持ちを抱いているらしい。

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