放送大学全科目感想 003 音を追究する(‘16)

  • 人間と文化コースなど(他コースでも共通)
  • 総合科目
  • ラジオ講座
  • 大橋理枝先生(放送大学教授)
  • 佐藤仁美先生(放送大学准教授)
  • 岸根順一郎先生(放送大学教授)
  • 高松晃子先生(聖徳大学教授)
  • 亀川徹先生(東京藝術大学教授)
  • 坂井素思先生(放送大学教授)
  • 難易度 ★★☆☆☆(放送授業は★☆☆☆☆)
  • おすすめ度 ★★★★★

あちこちに貴重な音が入っているので倍速再生するのが勿体無い科目。放送大学ではおなじみの大橋先生と佐藤先生が聞き手になるラジオ番組形式のため、非常に聞きやすい。文理横断型の総合科目で、音に関して幅広い知見が得られる。個人的には理系の話が基本的すぎて物足りなかったけど、あんまり専門的にしても聞き手がついていけないからしょうがない面がある。印刷教材でも特に岸根先生の回の記述が控えめになっており、他の人と同様にもっと突っ込んでほしかった。放送授業のおすすめは6-8回目の高松先生担当の講義で、演奏例が非常に豊富で面白い。

第1回

イントロ。まずは先生の紹介。

岸根先生は物理学の先生。合唱団所属のこと。音波という観点から教えてくださるそう。バッハ無伴奏パルティータが好き。ギター編曲もあるらしい。蚊の羽のうなりがにがて。

高松先生は音楽学。古いオルガンの音が聞こえてきたのを耳コピしてたり、吹奏楽と合唱を経験している。私と同じやん。イギリス音楽がご専門。馬の蹄の音を聞かせてくれた。周期的だが全く同じではないところが好きだそう。電車の発車音が途中で切れるのが苦手。最後までやれよ!と言う気になるらしい。

亀川先生は録音が専門。吹奏楽とオケ部に所属。企業→大学へ。好きな音は色々考えた結果、笹が風にそよぐ音を聞かせていただいた。窓ガラスを引っ掻く音はいや。

酒井先生は経済学の先生。経済と芸術の関係、運営など社会科学的アプローチも取っているそう。好きな音は弘明寺の除夜の鐘。落ち着くし共同体を連想させるし、音は人によって捉え方が違うのにみんな同じ音だと思っているのは何故か、を考えると楽しいですよねとおっしゃっている。苦手なのは国民保護サイレン。なんですかそれ。わざと不気味に作ったらしい。

佐藤先生は臨床心理学が専門、っていうか心理士。自分の語りがクライアントに影響を与えるので、音が重要だとおっしゃる。好きなのは沈黙。音のない音も重要とのこと。亀川先生も同意している。苦手なのも静寂。

大橋先生は異文化間コミュニケーションが専門。レコードをお父さんがかけていたので音楽には馴染みがある(環境は大事だな!!)。コミュニケーションで音声を使うことに興味がある。好きな音は波。海が遠かったので海が長期休みと結びついてるらしい(わかる)。掃除機の音がダメ。掃除も嫌い。

岸根先生の伝えたいこと。音波は空気の振動。音波と私たちの感じる音は別ものということ。プラトンとアリストテレス、ピタゴラスの話をしてる。アリストテレスは現象、ピタゴラスは物理的にとらえてる。

佐藤先生は認知心理学の知見から、インプットに対する感じ方の違いと違いを感じてほしいそう。

高松先生は楽器の話、縦と横の関係?の話で、音楽をたくさん聞かせてくれるそう。

亀川先生は音の響きと部屋、身の回りの音、記録された音と技術的な話。

大橋先生は、言語と音の関係の話。放送教材の特性を生かして実例をたくさんきかせてくれるそう。

酒井先生は社会、共同体と音の関係。教会やお寺の鐘、歴史的な事件と音の関係。音から共同体の意識ができていく過程について。うるさい、不快な音について。なぜ不快なのか。どう言う理由があるのか。

大橋先生は聞こえていない音を聞くのでなく聞こえてる音に気をつけてくれ、とのこと。好ましくない音が気になると大変なことになってしまう。

高松先生。大学院生のとき、小道沿いに小川が流れていた。夜真っ暗だったとき、小川の音が大きく感じた。音が道しるべ+警告音になるので真剣に聞いたそうです。

アツい教科ですね。音楽をスキップすると勿体無いので、次回からは等速再生にします。

第2回

岸根先生が物理的な音についての説明をする回。

まずは光と音の共通点と相違点について。音は人間が出せるけど光は出せない。光はシャットアウトできるけど音はできない。たしかにそうだね。音も光も見えないから、物理学的には水の波のアナロジーでいろんなことがわかっていったらしい。音は媒質が必要だけど、光はいらない。これは物理学的には大問題だったらしい(音と関係ないので話はここまで)。光について学ばなくてはね!

ドップラー効果の音聴かせてもらった。

音の波長は日常のスケール。数センチ~数メートル。だから、日常に存在する障害物にあたった時大きな影響をうける。波の回折という。コンサートホールの壁のヒダを見るとちょうど1メートルくらいで、音をかなり吸収する。障害物が大きすぎても小さすぎても影響はない。

波の干渉について。2つ干渉するともう原型をとどめないような形になる。楽器の波は干渉によって豊かな音が作られる。

音の規則性について発見したのはピタゴラス。金槌の音やゴム紐を使って数学的な規則を見つけていった。ピタゴラス音階というのもあるらしい。プラトンとアリストテレスも音の考え方が違う。プラトンはイデアの人なので厳格な440hzはあるとみなすが、アリストテレス は現象密着の人なので無理、数学は使わないぜという。アリストテレスのせいでルネサンスまで数学的な考え方はお預けとなった。ありゃりゃ。ガリレオが現象と数学の融合を取り戻した。

耳が感知できる音圧は20マイクロパスカル。1平方メートルに蚊が1匹に相当する鋭敏なセンサー。ウェーバーフェフィナー?によると感覚機能は割合、比でしか分からない。対数の世界になる。音圧はデシベル(対数)で考えてる。物理学では説明できない。謎。

媒質の話。酸素窒素の混合でなければ音の伝わり方は違うだろう。ファインマンがひとつだけ後世に残すとしたら、全ての物質は原子からなる、と残すという。コップ一杯の水を全世界の水で薄めてもう一度掬うと、さっきのコップの水の分子が100入っている。ヘリウムで声が高くなるのはヘリウムが軽く、音速が速くなるかららしい。3倍くらいになる。

第3回

音の認知を生理学・神経学的観点から。佐藤先生の担当。まずは生物で学んだ耳の機能のおさらいから。

耳鼻科の先生に話を聞いてる。妊娠3か月でもう耳(耳介)ができてるらしい。耳介では音の方向を感知するが、人間は耳介を動かせないので、自分で体を動かさないといけない。でも学習でも音の方向は学べる。耳は2つなのに上とか下とかもわかる(すごい!)。外耳道は3khz〜4khzの音がよく聞こえる。大きさ的によく共鳴するため。騒音に晒されるとここの神経がダメになって難聴になる。それで聴力検査は1khzと4khzの音を聞き取るようになってる。

中耳。蝸牛と耳小骨の関係の話。耳介は鼻と繋がって換気をしている。鼻を閉じて何度も唾を飲むと聞こえにくくなる。鼻と繋がっている耳の気圧が下がるから。鼻が詰まってる時と同じ。鼻水が中耳炎を引き起こすメカニズムも同様。

内耳。蝸牛と前庭と三半規管。蝸牛は螺旋状で3cmほど。蝸牛菅にはリンパ液が入っている。蝸牛内の毛が周波数ごとの音を担当している。三半規管。体が回転したらリンパ液の回転を検出する。眼球とも関係している。前庭は方向、傾きを感知する。リンパ液の働きは多様だな。

聴力検査。音の強さはPaとdb。ホンは聞こえの大きさ。年齢を重ねると高音域から聞こえなくなる。そうするとまず子音が聞こえなくなる。音はわかるが何を言ってるかわからない。若いうちに色々聞いておかなきゃだめだね。標準検査では125ー8000hzまで聞かせる。実際の音を聞いた。500、1000、2000、4000、8000hz。最後のはだいぶ高い。16khzはさらに1オクターブ上か。ひらがなの文字を書かせる検査もある。

伝音性難聴と感音性難聴。前者は鼓膜まで音が伝わらないこと。中耳炎、耳垢でも起こる。中耳炎は子供は気が付かないので注意。後者は蝸牛から神経までの伝達がうまくいかないこと。突発性難聴、メニエール病が代表的。老人性難聴もそうで、コミュニケーションが嫌になり認知症の原因にもなる。補聴器、人工内耳は必須!

耳鳴り。他の人が聴こえる耳鳴り、聞こえない耳鳴りがある。生理的なものはキーンとなったりするやつ。病的なものは脳血管障害でも起きる。治療は早めに。内服薬でも治ったりする。トレーニングでも治る。カウンセリングと組み合わせる。頭がなる頭鳴というのもある、原因はよくわからない。耳鳴りを作曲したのがスメタナの弦楽四重奏第一版最終楽章。聞かせてもらえる。あとシューマン交響曲第2番第一楽章冒頭のトランペット。けっこう耳鳴りに悩まされた作曲家は多い。

第4回

(今回からランニング中に聴くため感想が簡素になります)

音楽と感情の関係について。心理士の星先生を交えつつ、佐藤先生と大橋先生がいろんな音楽を聴いて対談する回。

まずは音楽は感情を伝える要素が大きいということ、そして感情の伝達は音楽体験に左右されないということを学ぶ。そしてチャイコ、ショスタコ、ベートーヴェンの曲を実際に聴いて佐藤先生と大橋先生の感想を聞く。音楽は感情を大まかには伝えられるが、ディテールは背景や歴史を知らないと伝わりにくいこと、最後に音楽はスキーマにのっとって解釈されることまで学ぶ。

上昇・長調→明るい、下降・短調→暗い、というスキーマが私達にはあるが、例えば民謡は短調なのに明るい。マイムマイムを思い起こすと、めっちゃ単調だがキャンプファイヤーで盛り上がるときの曲だ。大橋先生の教養が光り、あれはユダヤ民族の水が出てうれしい時に歌う歌だと明らかになる。さくらさくらの演奏も大橋先生のファゴットが光る。とても楽しい回でした。

第5回

岸根先生が音波の物理的性質について解説する回。縦波と横波、振動数や波長などについてのいわゆる高校物理的解説がメインだが、フーリエ分解などにも踏み込む上にとても分かりやすい。こんな風に講義してみたい。純正律と平均律の違いにも触れる。グレゴリオ聖歌と平均律クラヴィーアも聞かせていただける。グレゴリオ聖歌って純正律だったんだ。

だいたい知っていることだったので1点驚いたことだけ書くと、ニュートンは音速を280m/sと導出したがこれは間違いで、ラプラスにより330m/sと改められた。これは空気をニュートンは等温変化すると仮定したための誤りで、正しくは断熱変化だったからだという。断熱変化はポアソンの式、等温変化は内部エネルギーが変化しないことあたりを使えばこの1.2倍程度の差が説明できるのかなぁ。いずれやってみたい!

第6回

高松先生による楽器の話。今回は今までで一番実例が豊富で、聞いていて飽きない。

楽器の分類法から、どうやって楽器が音を変えているのかに踏み込んでいく。ホルンの構造に一番時間を使っている。印象的だったのは調和を尊ぶ西洋音楽は実は特殊だってこと。アフリカ、アジア、どの地域もノイズを効果的に用いたり、不調和なのを楽しんだりする音楽が多く、そしてこれが世界では多数派だということ。

とにかく実例が楽しい。三味線はかっこいいし、スーホの白い馬でおなじみ馬頭琴も聞けるし、ジンバブエのムビラやインドネシアのガムラン音楽で使うサロンの実例まで聞ける。これ全部揃えてる聖徳大学ってすごいんじゃ。

ムビラ

Mbira music master piece Live – YouTube

ガムラン

Sound Tracker – Gamelan (Indonesia) – YouTube

かっちょええ

第7回

高松先生による声の話。まずは裏声、地声の話。裏声の例としてカウンターテナーが出てきたけど、日本で有名なのと言えばこれだよね

もののけ姫 – YouTube

地声のブルガリアの民謡も超いけてました。私の知ってるこういう系だとウクライナのdakhabrakhaですかね。

DakhaBrakha – Monakh – YouTube

高松先生は東洋西洋アフリカ問わずフラットに紹介してくださるのですが、西洋音楽を改めて聞くとなんでも西洋音階に押し込めてしまっていて、なんだか貧弱に聞こえてしまうのですよね。ただこれは私が最近西洋をdisっているから思っているのであって、西洋現代哲学マジつまんないなと感じていることから発しているという自覚もありました。

で、最後の方に西洋的発声かつ東洋音階の声と、西洋的音階の東洋的楽器の融合した曲を聴いて、ああなんて浅はかな考えをしているんだ、音楽っていうのはそれぞれがそれぞれのf(x)を使って自らの表現したいことを写像にしてるんじゃん、f(x)に優劣つけるなんて実にばかげたことだなと思いました。そしてラストはドビュッシー。きれいですねー。西洋音楽disっててすいませんでしたごめんなさい。

第8回

高松先生による音の縦と横の話。縦も横も時間軸の話なのだけど、縦は五線譜上のみんなの音、横は和声とか曲の進行上の話。縦を合わせるのは音程の時と同じで、西洋だけ。いかにずらすかで優劣の決まる音楽もあるらしい(ミャンマーが例にされてた)。確かにな―日本の音楽もずれずれじゃん。

講義の目玉はライヒのPiano Phaseを聞きながら3人でニコニコ生放送みたいなことをしてるやつ。その名の通りピアノ2台の位相をずらしていくのだけれどスピーカー2人の感じ方がライブで伝わってきてすっげー面白いし、私とも感じ方が違うので、ほんと音楽ってのは個人個人の資質や歴史によって受け取り方がガラッと変わるんだなと実感した。

Piano Phase visualization – YouTube

↑Piano Phaseを映像化したやつ。たのしい!

第9回

亀川先生の響きについての話。無響室のトランペットの音を聞いて、リバーブをかけた音を聞く。最近の音響技術だと、人工的なリバーブは簡単な計算で得られるから楽みたい。コンサートホールの話がメインで、みんな詳しい。佐藤先生による感覚遮断室の話もある。

ちょうどよい残響を得るために現代ではいろんな工夫がされていることが分かった。スピーカーで残響を継ぎ足したりもしているらしい。あと、ロックとオケでは求められる響きも全然違うことも、言われてみればそうかと思ったが、意識したことはなかった。地元の中程度のホールだと、どちらのコンサートでも対応できそうな感じがする。

第10回

亀山先生の録音についての話。デジタルとアナログの話はだいたい知ってたし、デジタル録音が瞬間瞬間の写真のコマを並べたやつってのは先生それちょっと違います(音は1次元表現なので)って思ったけどわかりやすくするためにはアナロジーとしてはしょうがないかな。

エジソンの人類初の録音が聞けたのはとても楽しかった。そして佐藤先生が「メリーさんの羊だ!」って即座にわかるのすごい。

デジタル録音とアナログ録音によって録音機材の使い分けがされているというのも面白い話だった。アナログは音がなまる(マイクがしょぼいのと、テープが特性的に高周波数帯を記録できないからだろう)から高音域を高めに記録する必要があったこと、デジタルはデジタルで三味線とか耳に響く音が減衰しないのでつらいこと、人類がみなヘッドホンで音楽を聴くようになったからまた録音が変化してきたことなどを教わった。

第11回

言語の音について。序盤に大橋先生が発音の構造を簡単に説明したあと、中国語の先生をお招きして中国語の発音の仕組みを詳しく解説する(印刷教材に未収録)。

中国語は母音、子音のほかに声調があるのが特徴。これは昔の中国語は1字1意味にしたい、同音異義語を作りたくない気持ちが強かったので、できるだけ音節の種類を増やしたいという事情がある。今の中国語は相当単純化されたらしいが、声調は4種類なので単純に母音*子音のさらに4倍の種類がある。中国語は勉強したことがあるけど、同音異義語がかなり少ないので、文脈があればまず意味のあいまいさに悩まされることはないと思う。

言語と発音は切り離せないので、英語やフランス語、ドイツ語の発声はまじめに練習しないとだめだなと感じた。今まで伝わればいいじゃんって軽視していた。

第12回

言語学の先生をゲストにお招きして、オノマトペの話。ざっくり、オノマトペは音を転写した側面もあるが言語文化に左右されるよね、ということだった。

言語について考える。たとえば「りんご」という単語とりんごそのものには全く相関関係や因果関係がない。同様にオノマトペだって「ざわざわ」という単語と騒がしい感じって全く因果性がない。そう考えると言語って全てが恣意的なもので、変わりうるものなんだなーと思った。「ざわざわ」を例に出したのはこれカイジで生き死にがかかっている緊迫感を出す効果音として使われているから。だからカイジ知ってる人が「ざわざわ」を見たら「あっ死ぬかもしれない」っていう感情が想起されるわけでしょう。人によっては「High & Low The Worst」の略を「ざわ」っていう人がいるから「ざわざわ」を見たらイケメン集団のイメージが想起される人もいそうだ。

こんな風に言語は恣意的で人類普遍性がないから、あとは経験則で攻めていくしかない。音と経験を強引にでも結びつけるのは使用による反復。で、その反復による条件反射がないと私たちは生きていくこともできない。けっこう危ういものに頼っているように見えるけどなかなか強力で、不思議な感じがする。

第13回

坂井先生の担当で、音と社会について。渋谷区で17時に流れる夕焼け小焼けを聞く。都会ほど防災無線でこういうの流してるらしい。確かに今住んでるところや田舎の実家では聞いたことない。杉並区とか、八王子のニュータウンでも流れてたな。共同体意識の希薄なところほど、共通の音楽を聴いて共通の意識を持ってもらうという意味合いがあるらしい。

音が文化的観念を作るという例としてチャイムや寺の鐘が有名。寺の鐘については江戸時代は毎日2時間ごとに鳴らしてたという話が驚き。たしかにどの小説にも○○の刻って書いてあるけどどうやって知るんだ?時計ないのに?って思ってた。そーだったのか。

決まった時間や決まったタイミングで音を鳴らすのは生活習慣強化な意味合いも強そう。12回の話を出すなら、音と生活には全く必然性はないわけだから、わざと音を鳴らして生活を規律することもできるわけだよね。例えば毎日20時半に蛍の光かけて子供寝かすとかできるんじゃ。。

第14回

坂井先生の騒音の話。音を騒音と感じるかどうかには主観的な要素が大きい。単純な音の大きさではなくて、毎日の繰り返しや、自分にとって意味のある音など、気になると騒音になるという面がある。

でも規制するには基準を作らないといけない。とりあえず大きさが一つの尺度になっている。気になるかどうかは個人間で何とかするしかない。

大橋先生が保育所の泣き声を騒音として録音していたのでちょっとうっとなったけど、どうも建設中の騒音が結構デカかったのが原因らしいと後でわかった。建設音はみんないやだよね。それと結びついたら、建設音が思い出されていやになるかもね。

第15回

まとめ。全員大集合して感想大会だった。

みなさん、他分野への尊敬がすごいです。全員が「考え方が広がった」と言った。

ただ大橋先生だけちょっとひっかかって、「デジタルって情報を減らすことなんですね」と言っていたがそれは言語学だって同じだと思う。文系理系問わず学問というのは情報量を減らしていく学問のはず。減らしたとしてもその間に複雑な関係がいっぱい発生するから、学問って面白いわけじゃん。岸根先生が「私の分野は現象を記述するだけですので」とめっちゃ謙遜して物理学を捉えているのに対して、文系の先生方って理系分野を敬して遠ざけているような感じ。理解しようと思ってない。なんでなんや。

放送大学全科目感想 001 AIシステムと人・社会との関係(’20)

シラバス参照 (ouj.ac.jp)

  • 情報コース・総合科目
  • ラジオ講座
  • 山口高平先生(慶應義塾大学教授)
  • 中谷多哉子先生(放送大学教授)
  • 難易度 ★★★☆☆
  • おすすめ度 ★★★★★

序盤では、AIの歴史とともに、当時のAIがどのような仕組みでできているかも詳細に解説してくれる。仕組みをトレースするのはとても面白い(情報コースの人なら)。

中盤以降はAIの活用例と今後の課題について。ここら辺は数年で大きく変わるから賞味期限が早そう。慶應理工学部や幼稚舎、都内公立小での実践例は楽しく、ああ都心部ってこういうとこ恵まれてるんだなーと感じた。

今の所AIは人力に多くを頼っており、自動で賢くなるようなイメージは間違っている。ディープラーニングは所詮相関関係しかわからないので「なんかわからんがこういう傾向がある」ということしか学習できない。意味や構造は人間が解析して定義してやらないとまだまだ難しい。

全体的に、先生がいろんなことを紹介したいんだけど、しきれない、という雰囲気が伝わってくる。

第1回

AIの誕生と1960年代の第一次AIブームについて。汎用的な問題解決を目指したが、当時のコンピュータは遅いこともあって、入力が極めて限られており、ごく定型的な問題しか解決できず、実用性がないことが欠点だった。原理は素晴らしいんだけどね。LispとかprologとかAIの流れで出てきた言語だったんですね。

探索について。これしっかり学んでおかないと、AIプログラミングするとき、無駄に処理時間がかかるプログラムができてしまいますね。

AIスピーカーの原理が1960年にできていたとは驚き。イライザと言うらしい。siriにイライザって何?と聞くと、歴史を教えてくれるらしい。応答パターンを山ほど用意しておく、というやりかた。確かに、Alexaも応答パターンがあるんだなーって感じの動作をするね。

ディープラーニング、ニューラルネットワークも実は古い技術であるという。1960年の時点で、ロボット科学にもかなり応用されている。すごいな

マシンパワー不足もあり、全然複雑な問題は解けず、第一次AIブームは終わる。

第2回

1970年代の話。ヒューリスティックスとは、必ず正しいのではないが、だいたい正しい知識のこと。これを目指したのがスタンフォード大学。

プログラム言語でおなじみのif-thenルールはこの頃(1970年代)に出来たらしい。

マイシンという医療診断システムについて詳細に解説する。テキストがないと意味が分からない。トレースしてみてはじめてその構造が分かるようだ。プログラムに慣れていればわかりやすそうだが、初学だと辛そう。

ルールベースは、AIっていうより、構造化されたハードコードの集合体という感じ。開発には5年もかかったらしい。頑張ったことはわかるが、正直、開発コストに見合わない。私がエンジニアならやりたくねーです。前向き推論、後ろ向き推論は、大事な概念になりそう。

推論の過程を全部表示してくれるってのはとてもいいアイデアですね。私も採用したい。

ルールモデルを検証するテレイシアスもすごいらしいのですがラジオだと全然わからない。テキスト読まないと。

第3回

1980年代第二次AIブームについて。マイシンの成功によりまたブームが訪れる。

エキスパートシステムであるためには、知識と推論エンジンを分離することが大事。現代のプログラム開発にも通じますね。全部プログラム言語内に知識を入れた開発もあったそうですが、今の開発手法から見ればナンセンス。DBなしの知識ベースには無理がありますね。

prolog楽しそう。やってみたいですね!!ただ難しくて、実際に先生が講義したら1年かかったそうです。LISPの方がメジャーらしい。

日本で開発された第五世代コンピュータ(FGCS)は意義はあったが産業貢献はなし。かわいそう。

この時代のAIって自動進化する仕組みは全然なくて、人間が全部手順やらデータやらをセットしてあげないと使い物にならない状態ですね。機械学習するための処理速度も容量も、データセットも全然足りないからでしょうけど。

第4回

第3次AIブームの前知識として、90年代に発展した手法である決定木、ベイジアンネットワーク、サポートベクターマシン、パーセプトロン、ニューラルネットワーク、ディープラーニングなど現代でも有名な手法についての基礎知識を学ぶ。ゲストの中谷先生が解説してくれる。

バックプロパゲーションで結合加重を変えていくとき、必ず誤差が減るように加重をコントロールしていく。そうすると訓練データによって過学習が起きたり、多層で学習すると影響が極端に大きくなったり、小さくなったりする。そうするとニューロンのネットワーク構造や層の数をどうするか、ということが非常に難しい。

例えばプラントの故障について。故障は滅多に起きないから、ほとんどのデータは正常である(アンバランスデータという)。学習はうまくいかない。

畳み込みネットワークは詳細に解説してくれているみたいだが、ラジオでは意味不明。フィルターが重要なんだな、だいたいのことを把握しているんだな、ということだけわかった。

リカレントニューラルネットワーク、フィードバックの仕組みはよくわかりましたが、処理速度が大変なことになりそう。

報酬、忘却もシミュレートするんですね。確かに必要ですよね。強化学習は魅力的だけど、現代でも時間がかかる。アームで物をつかむだけでも数十万回の試行が必要。大変ですね。

第5回

2012年、googleのディープラーニングによる顔認識が広く知れ渡り第3次AIブームが始まる。チェス・将棋・囲碁のAI制覇の様子などエキサイティングな話題になってきた。

現代のAIの特徴はデータ量・計算量で圧倒し「物理で殴る」システムが多いということ。将棋の藤井くんもAIと打ってAI特有の癖がわかってきているという。デイトレ勢も同じことを言っていたような気がする。2021年現在でも、格ゲーのCPU攻略法と一緒でまだまだ機械は機械だとわかるような状況なのだろう。

犯罪予測で犯罪が半減、スシローのネタのトレンド予測でマグロの廃棄量が75%削減と聞くとAIめっちゃ役にたってるやん、と感じる。

AIは人間の仕事を一定程度奪うかもしれないが、まだまだ弱い。ディープラーニングは、相関関係しか理解できないから、真の相関があるのかどうかは、人間が判定しないとわからない。統計学と同じ原理だ。世の中にゴミ統計があふれているのと同じく、ゴミAIも多数存在するに違いない。特徴抽出の前段階である視野の限定だってAIには現時点では無理。昔のAIと同じで、入力と出力の規格化、データの解釈が一義的に決まっていること、学習に使うデータがまともであること、これらの条件をクリアしないと全く使い物にならない状況であることが分かった。

当面、人間は安泰かな。シンギュラリティなんて夢物語だね。

第6回

AIの歴史の話は終わりで、今回から実践の話。まずはスポーツから。野球、剣道、サッカーの話だった。

データサイエンスは、データの入力を整えるのと、出力後のフィードバックに一番労力がかかる。計算自体はすぐ終わる。

剣道では姿勢の補正や、どういう練習をしたらいいかにデータサイエンスの手法を使い、、先生の息子さんの所属する剣道クラブで実際に参考にしているらしい。

データを初めて野球に取り入れたのがノムさん。だから野球はデータを受け入れる素地がある。データサイエンスによる分析結果もかなり使われているらしい。

ところがサッカーで同じことをやったら「俺たちのプレイじゃない」と言われたという。あほか。受け入れやすいデータの解釈の方法を考える必要があると先生は謙虚におっしゃってましたが私はそんなんいらんと思います。

受験勉強とか、語学の学習とか、データサイエンスやAIは絶対応用できると思うんですけど、学習用データの取得と整備をどうしたらいいか、がとても難しそうです。いずれAI受験とかになったりしてね。

第7回

自動運転について。2018年時点の情報であり、賞味期限が早そうな話題。

2004年に米国DARPA(国防高等研究計画局)がグランド・チャレンジというロボコンみたいな自動運転コンテストを開催したことにより、一気に開発が加速した。

はじめは砂漠を走るだけだったのが、2007年(最終回)には街中を走り、交通規則を遵守する、人を模した障害物をよけるなど急速に高度なものになった。

ここで高い技術を培った団体がスタートアップになり、googleやアップル等がこれらを買収して、自動運転業界を牽引していくことになった。

自動運転にはレベルがあり、0~5まである。0がアシストのみ、5が完全な自動運転となる。現在レベル3を実現しようと、全世界でしのぎを削っている状態だそう。アメリカ、中国が世界のトップで、日本はまだまだ。アップル社が世界一自動運転の特許が多いらしい。

中谷先生が慶應新川崎タウンキャンパス(そんなのあったんだ!)で自動運転の試乗の実況をするところが楽しいです。

2018年時点で死亡事故は3件。まあ少ないですよね。

第8回

サービスロボットについて。主に慶應の学祭でやったロボット飲食店の話。

まずは2000年代のロボットブームと終焉について。AIBO流行ってましたね。ロボットはインタラクション(相互作用)機能が必要だけど、当時の技術では不可能で、AIが発展しないと無理だった。ペッパー君も流行ったけど、2018年頃には廃れた。いまははま寿司で受付として使われているだけ。

2012年頃、中国ハルビンでロボットレストランがオープンした。しかし子供がロボットの前に立ったらぶつかってしまう、注文をミスる、食事をこぼす、など問題があり半年で閉店した。

はま寿司でペッパー君が活用されるための涙ぐましい工夫と努力についても語られる。そもそもペッパーは丈夫に作られていない。手を振ったり何度も往復動作をすると止まる。故障する。悲しい話だった。なのでできるだけ動作を少なくして、かつ、お客さんに喜ばれる動作をするようにチューンアップしているらしい。

後半は慶應理工学部のロボット喫茶店プロジェクトについて。接客はペッパー。運搬は別の人(ロボット。HSRとジャコ2)がやる。注文は音声認識で行う。他にもカメラなどで客の要望を把握する。ノートPC10台で情報処理をする。慶應はロボットに強く、現時点これができるハードは慶應だけが持っているらしい。

応用されている技術は知識ベース推論、音声対話、顔認識。入店検知をしたり、注文を正確に確認識したり、店内の環境の状況(環境地図)を作ってぶつからないようにしたりする。

実際に2018年にロボット喫茶店は慶應の大学祭で公開した。ペッパー君が受付する様子、HSRとぶつかりそうになるが回避する様子、がライブで放送された。子どもが注文してた。上手に受付するなー。注文をうけて食事を作るのは早い。顔認識を使ってクレープにチョコで似顔絵を描く機能も(3分かかる)。累計250人が来て、17万円の売り上げ、8万円の利益。すごいね。

アンケート結果では、ロボット喫茶にはエンターテイメント性が重要になっていることがわかった。いまのところは楽しい体験という位置づけですね。ロボットが飲み物をお客さんに渡すと感激するらしい。

↓は2010年の様子

慶應三田祭で「ロボット屋台」 ペッパーが料理を仕上げ! – bouncy / バウンシー (moov.ooo)

第9回

間接業務とAIの関係について。

間接業務は裏方の事務作業などのこと。大学の間接業務を例にする。経理などの定形事務処理を効率化する。エクセルマクロはAIか?なんともいえないな。

RPAの説明。狭義には複数のアプリケーションにまたがる操作のマクロ化とか。これはAI関係ない。広義のRPAは言語理解などの処理を含む。

具体的に何をするのか?派遣事務職員が売上データを抽出し、エクセルファイルに転写する、業者ごとに合計する、FAX送信する、処理を自動化するなど。VBAで自動化することもある。ってやっぱAIじゃなくない?ただの自動化やん。プログラムはAIなのか!?謎だ。あ、ここはRPAの説明だからAIじゃないんか。

業務ルールは変更される。ハードコードしてると手間がかかる。なのでエキスパートシステムのように、ルールとデータを分けるのが良い。そうするとルールの変更が軽微なら、ユーザー側でも反映できる。BRMSという標準化された言語が使える。ルール文の作り方はよくわからん。印刷教材みよ。

出張旅費申請を例にして業務をルール文にする。日当と宿泊料の計算はルールを書ける。申請文は大量に提出され審査に膨大な時間がかかるので大変だからこれを自動化したい。講義を聞く限りWEBのアンケートみたいな定形入力にさせて条件分岐していけばいいっぽい。データベースに属性とか金額とかを入れといて、路線選択アプリなどと連携すればよいですね。開発では大したことやらなくていい。簡単なシステムで時間が1/3になったそうです。

意思決定にも使える。たとえば保険の自動査定システム。定性(初診から時間が短い)を定量(初診から3ヶ月以内)に変えていくことで自動化が可能になる。これで査定時間が1/5になった。

これAIか?ただのプログラムじゃん。しかも簡単。機械学習を伴わなくても、AIって呼んでもいいのか。。こんなのに人類の雇用が左右されてるんかい。

第10回

社会インフラについて。

古い橋梁や道路の点検診断をどうするか。笹子トンネル事件では目視で検査していただけなので検査がザルだった。目視のサポートが必要。

ディープラーニングでひび割れを検知する。まだ実用段階でない。ヒビの撮影がたりない。畳み込み型で学習したら、80%検出できるようになった。ドローンロボットも活用すると効率化できそう。分担がうまくいけば効率が高まるね。

etcの点検。点検開始から数時間ですぐ復旧させなけねばならない。点検業務プロセスを分析しクラスやプロパティに分解し、知識ベースを開発。インタビューによって属人的なワークフローをゲットしたりした。分析過程が一番大変そうだ。ナレッジグラフ、オントロジー、専門用語が難しい。複合知識データベースを利用して、スマートグラス越しに点検手順を教えるシステムを開発したそうだ。画面の実際の説明もあったが印刷教材を見ないとよくわからない。作業者が質問すると質問リストが表示されたりするらしい。蜘蛛の巣が装置の隙間に入ることもあるらしいので、注意とした表示される。

なんという開発に手間のかかるシステムだ、とおもう。実際のシミュレーションが難しい装置なら有効かもしれないが、割にあうのかこれ?システムをつかっても32%は操作が難しかったという。実行可能な操作は50%増。多いと見るか少ないと見るか。そして抽象化したワークフローはあまり役に立たなかった。上司のみ手順の見直しにつながったと評価している。

高速道路の雪氷対策について。雪で閉鎖はしたくないが、せざるを得ない場合。どのタイミングで閉鎖するのか。判断基準は属人化の程度が高く、インタビューに時間がかかった。気温や湿度で判断するが、根拠は何か。詳しくは印刷教材をみよ、だそうだ。凍結防止剤散布などの業務もプロセス化する。そうして雪氷対策教育支援システムを作った。システムで学習した新人は経験3年程度と同等の知識が得られた。

教育システムがあれば3年かけて実践しなくていい。システム構築は大変だが、効果はかなりあるようだ。塾でも応用できるか?

第11回

学校とAI。

文科省のリーディングプロジェクトについて。スタディログってなんじゃろ。生徒に合わせた個別学習がトピックらしい。

慶應理工学部の教師ロボット連携事業について。小学校の温暖化の授業で、児童の興味関心が続くような授業を依頼された。家庭科をやろうとしてもお皿の認識などが難しいのであきらめ、社会にしたらしい。教師とロボットがかけあう。面白く教えないといけない。子供が騒がしい場合にどうするか。授業づくりも難しかった。インスタンス関係やクラス関係の定義の具体例は印刷教材参照。このオントロジーってDLなのか?人間定義なのか?話を聞いているとどうも人間定義のようだ。インタビューを元に考えてる。たいへん。驚きなどの身振りも定義してる。

実際のライブの様子。すげー受けてる。??する?→動画を再生するよ!とか、ヒントだよ!とか面白いこと言ってる。かなり楽しく学べたみたいだけど、音声認識が難しい、時間かかりすぎ(これが一番致命的では)という課題があった。

慶應幼稚舎でてこの原理の授業の実験をした。ロボットアーム使ってる。児童の回答状況がわかるようにして、サポートを容易にするようにできるようになった。ただアームがなかなかものを掴めないのを、児童が応援してたのが微笑ましい。スパイダーマンの顔になって静かにせよと言ってウケたりしてた。もっとロボットと話したい児童もいっぱい。ロボットはエンタメ要素が強いですね。

教師がロボット授業を作れるようなツールの開発について。これは。。RPGツクールじゃないか!!ツールのセミナーもやってるそうだ。小型ロボットとpcが40万ほどするので価格の問題がある。高いツクールだなあ。

第12回

知的パートナーAIについて。

まずはナレッジナビゲーター。講義資料の準備など。論文の検索やスケジューリング管理とか。秘書のような機能を求める。30年前の提案だけどまだ全然実現せず。

対話が難しい。ディープラーニングによる対話は難しい(!)。やはり相関関係しか判定できないから。それっぽい返答はできるが因果関係は現時点ではむり。上位下位関係や意味関係、プロパティをオントロジーを使って定義しないといけない。

オントロジーは概念感の上下関係と意味関係を定義したもので、そのデータベースをナレッジグラフという。自動構築は難しい。手動しかない。なので開発が難しい。自動構築の仕組みを作る試みはある。例えばWikipediaから作るアプローチがある。時代小説、芥川、夏目漱石などの構造を作るがWikipediaには間違いもあるので、デバッグは大変。ナレッジグラフとして2000万のデータを構築して小学校で実験した。結構答えられてる。クイズには十分使えそう。宮台先生との対話も面白い。神様は存在しますか→関連してない=プロパティなしなので、哲学者にとっては面白かったみたい。人が勝手に深読みしておもしろがってるだけでは。今後の自然言語処理の発展に期待。

温暖化についての小学校での討論にオントロジーで強化したロボットを投入した。ある程度キーワードが照合した時、節電の説明とか火力発電で二酸化炭素が出るよと言ったりとか。ライブではロボットが声かけをしてくれてみんな興奮してた。やっぱエンタメ要員やね。杉並区立浜田山小学校だって。東京の小学校は恵まれてるなー。小5でエネルギー問題をかなりハイレベルなとこまで議論できてる。先生にも好評でした。議論の材料になったり、新しい可能性を開けたりする。子供たちの反応は、ロボットにできることとできないことがある、ということを学べたことが大きいそう。

討論にロボットを使う実験。プロジェクトディベーターと討論者で戦ったらディベーターが勝ったそう。範囲を絞って知識を構造化できれば説得的なセットは作れるんだね。といっても、まだまだ人手に頼ることになりそう。

第13回

ここまでのまとめとよくある質問への回答。復習事項が多くあまり新しいことがない。

ディープラーニングで囲碁が解けるならビジネス問題も解けるんじゃね?というよくある疑問には、残念でした、無理ですという回答になる。やはり相関関係しかわからないんで、構造化とか意味関連性に非常に弱い。AIはまだまだ人力勝負です。

機械学習と医者の診断について。医者は自分の経験にとても自信があるのでデータマイニングの結果は信用しないようだ。藤井くんを見習ってほしい。データの後処理ってかデータ利用者のリテラシーの問題じゃない?

自動運転でクルマは売れなくなるのか。売れなくなるというより、既存の構造が変わって大手メーカーだけでなく新興企業にチャンスが巡ってくるようになりそうだ。

資本主義は変わるか?という質問には、先生はまだAIのレベルは低い、AIとどう連携するかが問題となると言っています。

シンギュラリティは世界全体に起きるか。今起こっているのは、極めて限定された条件下でしか起きてない。先生はすぐに様々な業務が代替されると考えるのは時期尚早という立場。分野横断的な研究は重要になるだろう。とのこと。

AIの価値は。先生は職業をプロセスに分解して、意味理解は人間がやって、単純計算はAIがやるなど、役割分担が大事になるだろうと予想している。

コンピュータはまだ馬力しか出せない道具にすぎない。AI万能主義の夢物語をぶち上げる人の言うことは信用しないほうがいいね。

第14回

AIシステムと今後の社会について。いままでの講義のまとめが多い。

全体的に、AIが人間にとって代わるというのは間違いで、AIをどのように人間が活用していくかを考えよということを言っている。人間が得意なこととAIが得意なことは違う。AIって名前で議論しているけど結局、昔からロボットやらコンピュータやらについて言われてたことと一緒だよね。DLするなら一番大事なのはデータの質ということも、これまでの講義と一緒。

いいAIと悪いAIの話。ロボット三原則と同じように、倫理的な面から、AIにも開発上のガイドラインが必要ということ。悪いAIがネットワーク上で検出されたら、自動的に取り締まるAIポリスも考えられるけど、それも学習用データの質がなかなか、難しそうな話。中国の金盾って絶対AI使ってると思うんですけど、アルゴリズムが知りたいですね。軍事AIも面白そうですが、仮想の戦争するならデータとかルールとかのレギュレーションが大変そうですね。現実にはレギュレーションもないわけだし、手続きを統一するのは無理。まだまだ難しいだろう。

2018年、政府が提言したAI8原則?では、AIを人間中心にせよ、教育を充実せよ、などの原則があるそう。できるから作るのではだめ。人間中心というのは、漠然としてよくわからない(第15回でやるらしい)。悪意をもったAI=悪いプログラムなんで結局昔と何も変わらん。。データサイエンスは大学生の必須科目になりそう(大したことやらないと思うけど)。

AIの開発のためには知識の構造化、定義の明確化、インターフェースの充実、それから楽しいことが重要。これもいままでのソフトウェア開発と同じに見える。

第15回

AI国家戦略について。AIを経済発展につなげる。どうやって?

AI推進すれば10年程度で効果が出てくるらしい。マジで?IT革命みたいなもん?楽観的にすぎるとおもうけど。

主要国のAI戦略。アメリカではAIに優先的にお金出すんだって。でも予算は不明。GAFAが主導だから?

中国は国指導。特に自動運転に力入れてる。深圳がシリコンバレー化してるらしい。中国は医師が少なく、AI診療所が期待されている。写真とって薬ももらう。コンビニみたいですね。ただ中国ははまだ基礎研究のレベル低いみたい。2017年現在の話だけど。一兆円以上の金が投入されるらしく今後一気に発展しそう。中国の有名企業はBATHというらしい。バイドゥ、アリババ、テンセント、ファーウェイかな。半国有企業みたいなもんなんで強いっすね。

ヨーロッパ。EUでは12兆円投入して開発するらしい。イギリスでは医療、早期がん発見。ドイツではラーニングシステム(教育?)など幅広く。日本と連携して人間中心の開発をするらしいが抽象的でよくわからん。

日本。現実と仮想空間を統合する(ARみたいなもん?)ソサエティ5.0を推進。5.0みたいなの好きだね。

人間中心のAI原則について。AIのリテラシーを高める。悪用したり過度に依存しない。技術者は人文科学の素養も高める。プロファイリングの保護について。2019年8月リクナビが学生の内定辞退率を販売する事件があった。これはダメ。公正の原則。大企業にデータが独占される。これはどうしようもなさそう。アカウンタビリティ、透明性の原則。2018年10月、アマゾンが男性を優先した事件。機械学習に使った履歴書が男性のものが多かったから。データの質の問題。

日本では25万人〜50万人AI技術者を育成するらしいよ。少々勉強するくらいじゃダメだね。

AI兵器。自動で人を殺傷する兵器は禁止しましょう、という動きがある。

おわり。先生方ありがとうございました。